どこぞと知れぬ大きな屋敷。一見古びたホテルか何かの廃墟のようだが、大きな玄関に人影があるところをみると、そうではないらしい。
そこにあったのは、ドクタージニーと、故郷を捨てたジュードの姿だ。
「なんなんすか、このボロい建物は…。薄気味悪いな…」
ジュードは身震いした。それも無理はない。壁の塗装ははげ、蔓がそこら中にその茎をのばし、窓ガラスは割れその破片は地面に散らばっている。ホラー映画にでも出てきそうと言っても過言ではない。
しかしジニーは微笑んでその大きく重い扉を開いた。
「大丈夫です。全然怖くなんかありませんから。」
ギギギギ………
ジュードの目に映ったのは、暖かな照明の光。そして楽しそうに踊る人々の笑顔だった。
「なんだぁ、こりゃあ」
思いもよらぬ光景。そこにはあまりにもこの建物の外見からは想像できない華やかさがあった。