『ねぇねぇ、昨日みたMステ』
突然、隣の席の『松田 純子』が笑顔で話し掛けてきた。
『え?Mステ?…見た、見た』
とりあえず、無難に応える。音楽番組に興味ないけど、観てないっというと、会話終わっちゃうし、今暇だし、話し掛けてくれたから、載ってあげようかな。
『エグザス、超カッコイイよね?』
声をワントーンあげて、音楽雑誌をうれしそうに広げて、表紙に載っている『エグザス』を指差しながら、純子は笑う。
私は、『ハハッ』
愛想笑い超得意。しっかり愛想笑いをだす。
エグザスは五人組のグループで、ボーカル二人がカッコイイっという程度の、噂は知っていた。
あと、五人とも顔が『黒い』のも。
『あのさぁ、どっちがカッコイイ?私的には、拓海かユウシだと思うんだけど』
『うっ…うん。』
この黒いが、どっちがいいか?
識別できないほど黒いんですけど。
本気で聞いてくる『松田純子』が、かわいくみえた。
かわいく見えただけで、『松田純子』は体重が高三なのに、八十?もある。言わゆる世間一般的に言う『デブ』だ。
お世辞にも、モテるタイプではなく、どっちかというと、お笑い系だ。
『カッコイイのは、右かな?』
髪が長い方を指差した。
『だよね。』
うれしそうに答えた。
間違っていなかったようだ。
松田純子は、自分と同じ趣味友が出来たかのように、笑っていた。
『あのさぁ、ライブあるんだけど行かない?』
松田純子に誘われた!?