ときめき ?
俊章は、心臓が高鳴るのを感じた。
便箋の他には、大きなハートがプリントされた、ピンク色のハンカチが入っていた。
俊章は、そのハンカチの匂いをかいでみた。
すると、香しい香水の匂いがした。一緒に入っていた便箋にも、封筒にも、同じ匂いが染み込んでいた。
俊章は今まで、『告白』等された事がない。ましてや、特定の女の子と、付き合った事がない。嬉しくて、飛び上がりたい気分だが、相手が誰だか分からないまま、喜んでばかりはいられなかった。
『いったい誰だろう?』
俊章は、小学校から一緒で、雪子と仲の良い、何人かの子を思い浮かべたが、全く想像がつかなかった。
翌日俊章が登校すると、雪子が玄関で待っていた。
「お早う!俊ちゃん」
「あぁ、お早う」
「ねえ、読んでみた?何て書いて有ったの?」
「雪子、誰なんだよ、あれをくれたのは?」
「昨日言ったでしょう、今は言えない、って。で、返事を書いた?」