ただ単に‥

 2009-06-28投稿
閲覧数[221] 良い投票[0] 悪い投票[0]

やっと会えたね‥
生まれたばかりの我が子に
そっと触れてみる。

海里‥


藤代ライナ、アタシの名前。

ハーフだから?小学生の頃のアタシはよくいじめられた。

3年前の9月、アタシは通ってた高校を辞めた。高校3年生、まだ17歳だった。

大嫌いだった学校との別れ、膨らんだお腹を見ると、嬉しくて仕方なかった。


アタシには付き合って2年になる彼がいた。年は3つ上。

それが藤代海里。
職業は、居酒屋店員。

退学してすぐ結婚し、双子の男の子、海斗と礼夢が産まれ、お金はないがアタシは幸せだった。


アタシには母がいるだけ。飲み屋を営んでアタシを学校に行かせてくれていた。
母は金が浮くと喜んでいた。


アタシが二十歳になるころ、女の子、リラを出産した。



やっと会えたね‥



半年前、アタシの生活は大きく変わってしまった‥

海里‥


彼は飲酒運転で人身事故を起こし、人を殺した。車や道路は無残な姿。さらに、海里は植物状態。



娘を産み退院してすぐ、アタシは近所のカフェで働いた。
小さな子供たちはアタシの実家か海里の実家。
だけど、入院費やら生活費やらアタシの収入ではやっていけず、寝る間も惜しんでパチ屋でバイトした。
次第に子供たちはアタシに寄り付かなくなっていった。


疲れ果てて体はボロボロ。
アタシいつまでやらなきゃ‥毎日考えていた。



海里を殺そうかとも考えた。

でも出来なかった‥

お願い、目を覚まして‥



そんな生活を続け4年がたっていた。

海里は目覚めない。

息子たちはもう小学生になっていたしアタシも24歳だった。


そのころの医療費は彼の親が支払っていたため、バイトはいっていなかった。

カフェでの仕事がおわると子供たちみんなを連れて病院。


そんな毎日だった。



いつまでたっても目覚めない旦那を待つのは、辛くて仕方なかった。


以前のような、幸せの日々が訪れるのを、心から願った。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 玲 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
たった1980円で★
簡単に小顔GET!!


▲ページトップ