達也
「ふぁ〜〜………眠い」
美奈
「にぃに、寝不足?」
学校の玄関口に入るや否や僕は大きなあくびをした。かれこれ何回目だろう。
それもこれも全部、美奈のせいだ。
達也
「おまえが夜中まで騒いでたからだろが!それと学校でにぃに言うな!」
美奈
「アハハ、ごめんね!お兄ちゃん!じゃあね〜!」
そう言うとヒラヒラと手を振りながら美奈は自分の教室に向かって走り去って行った。
僕も上履きに履き変えると自分の教室に向かって歩き出した。
達也
「ヤバイ……本当に眠い」
キズナ
「おはよう達也君」
振り返るとそこにはキズナが立っていた。どうやら今、登校して来たみたいだ。
達也
「おはようキズナ。今日は早いんだね」
キズナ
「電車一本早めに乗ったからね。それでだよ」
そう言うと僕とキズナは教室へと向かった。
教室に向かう途中、僕はまた大きなあくびをしてしまいそれをキズナはしげしげと見ていた。
キズナ
「眠そうだけど…どうしたの?寝不足?」
達也
「いや美奈の奴が……ちょっとね」
そう言うと僕は昨日の事を思い出していた。
昨日、ヒビキと家に帰った後、美奈がヒビキの事をいろいろと聞かれたが軽くあしらったが……それがいけなかった。
ことあるごとにヒビキの事を聞かれたからだ。
そしてそれは夜中まで続きそのせいでこの有様である。
キズナ
「まぁ……何があったか知らないけど夜はちゃんと寝たほうがいいよ」
達也
「うん……そうするよ」
気付くとちょうど自分たちの教室の前まで来ていた。
僕たちは教室に入り自分の席に向かった。僕の席は窓側の後ろから3番目のなかなかいい席である。前の席は隼人の席だがまだ来ていないようだ。
達也
「隼人、まだ来てないのか」
キーンコーン カーンコーン…
おいおい大丈夫か…予鈴、鳴ったぞ。隼人……
そう思っていると息を切らして隼人が教室に入って来た。
隼人
「はぁ……はぁ……ギリギリ…セーフ」
達也
「今日はまたずいぶんと遅かったな……どうしたの?」
隼人
「ちょっと…調べ物をしてたら……遅くなった」
達也
「調べ物?」
隼人は僕にその調べ物の内容を話してくれた。