「物心ついた時から殴られていた。体中アザだらけで…。」
昭幸が話し始めた。
「毎日殴られていた。何回殴られたか分からないくらい。」
{アッキーにもそんな辛い過去があったんだ…。アッキーはいつも笑っていてそんな雰囲気なんか少しも出してなかったのに、心はマイナス思考で駄目だなぁ…。}
『アッキー…、もう大丈夫だよ。心がいるから。』
「うん、聞いてくれてありがとうな。」
『昭幸…、大好きだよ。』
「うん、俺も心のこと好き…。」
二人は照れて顔が真っ赤だった。そして、再び繋いだ手からは初めとは違う深い感情が伝わった。
{自分の過去を分かってくれる相手に出会えた。同じ過去を持って、同じ傷を負ったことのあるこの人となら一生一緒にいられる。}
心は本気でそう思った。
そして、二人はキスをした。心にとってファーストキス。ほんの数秒だったと思う。でも、頭が真っ白だった。そして、抱き合った。心は泣きそうになった。この日の出来事、昭幸、全てが愛おしくて、切なく、儚く、このまま時を止めたかった。
続く…