6月8日
深夜3:00
ピーンポーン
チャイムが鳴る。
さっきの男だろうか…
男…
男!?
今朝の一コマを思い出す
「定期券の男!!!!」
寒気が走る。
良く考えればあんな男一度も見た事がない…。
深夜3:04
ドンドンドン ドンドンドン
ドアを激しく叩かれる。
どうしようどうしようどうしよう…
「△△さ〜ん。いるんでしょ?」
ドアの向こうで男が叫ぶ。
私…殺される
深夜3:21
諦めた?
物音が無くなる。
さすがにこれ以上騒いだら警察に通報されると怯んだのだろうか…。
念のため…
怖いけど確認しよう。
深夜3:23
足音を立てないように玄関に向う。
ドアスコープを覗くが、誰もいない。
「良かった…。」
カチャッ
ドアから響いた音に体が硬直する。
深夜3:25
ゆっくりドアが開く。
男が3人立っている。
「△△さんだね…」
一人の男に目がいく。
今朝の男だ…。
「隣りに住んで居た〇〇さん知ってるね?」
何を言ってるのか?
「×月〇日君は何処で何をしていた?」
私はその日会社で…イヤ、違う。そうだ!!彼氏とご飯を食べに行って…イヤ、違う。私…何してたっけ?
「このジャケットに見覚えはないか?」
それは!!!先月私が買ったやつと同じ。でも私のはクローゼットに入れたままだ。
「△△さん、物証は色々揃ってるんだ。隣りの〇〇さんを殺害したのは君だろう?」
違う!!!!
違う!!!何言ってるの?
殺したのは男!!!!
「君は〇〇さんの事あまり良く思ってなかったようだね。」
私は〇〇さん何て知らない。
「だって君の彼氏の浮気相手だったんだろう?」
…………
そうだ。
あの女…。
あの日…
私だ。
私がやったんだ。
「△△さん、詳しい事は署で聞こう。」
深夜3:37
今朝の男に掴まれて私はパトカーに乗る。
今まで怯えていた音は私の罪悪感から生まれた。
何よりもこの瞬間を恐れていたのだったと思い出す。
今はパトカーのサイレンのみ耳の奥に響く。
終