ほんの小さな私事(32)

稲村コウ  2009-06-30投稿
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弟に追いやられるように、私は自分の部屋へと戻り、自分の部屋にある鏡の前で、改めて髪の手入れをした。
風呂の湯で火照った体をある程度冷まし、頃合いを見て室内着に着替える。
後程、食事したあとにする予定の勉強の準備をし、そのついでに、明日、学校に持っていく弓や弓道着一式の準備をしていると、弟の声が響いてきた。
「ねえちゃん、飯の支度できたってさ。」
私は、道具の支度を途中でやめ、「はーい。」と返事をしてダイニングへと向かった。
既にテーブルには、数々の料理が用意されており、そこには手で料理をつまみ食いしている弟がいた。
「潮ちゃん、行儀が悪いわ。ちゃんとお箸で食べないと。」
そう私が弟に言うと、彼は、面倒くさそうな顔をして答えた。
「わかってるってば。ちょっと腹減ってたから軽くそれ食べただけだし、んな細かい事言うなよ。」
私は昔、幾つかの習い事と平行して、礼儀作法もやっていたため、こういう細かい事は気になってしまう質なのだ。
そんな反面、先ほどのように、バスローブ姿で玄関に出ていってしまうなどという事も、思わずしてしまったりもするが…。
それはともかく、そういった私と違い、弟の潮は、礼儀作法というものが嫌いで、如く、作法を教えてくれる家庭教師から逃げているほどだった。

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