一也は、黙っていた…
「やっぱり亜樹は、勘が鋭いね…」
「だってずっと様子がおかしいし、変だったから…家に来ないとか、旅行とか…いくら私が、おバカでも分かるよ。もしかしてさぁ…一也の目標達成とかでしょ…」
「亜樹ってかなり天然だと思ってたけど…違ったんだ…俺の計算ミスだね…」
「おめでとう!!」
そう言った途端に涙が出た…
「ちゃんと笑っておめでとうって言ってさようならするつもりだったけど…無理だね…」
「俺は、亜樹とはさようならする気ないよ。ずっと考えたんだ…亜樹とは別れたくないから…遠距離は無理かな…?ちゃんと会いに来るよ」
「そんなの無理だよ…会いたいって思ってすぐに来れないよ」
「亜樹は、本当にそれでいいわけ?納得出来る?俺は、出来ない…亜樹と付き合いだした時は割り切ってた…でも亜樹のお父さんが亡くなった事、病気の事とか亜樹の支えになりたいって思える様になった…」
「一也も考え変わったんだね…」
「それで、亜樹にお願いがあるんだ…待って欲しい…今は、まだ成功するか分からない状態で一緒に来て欲しいなんて言えない」
「それって…」
「そうだよ…まさか俺自身がありきたりなカップルが言うような事言うはずないって思った。でも亜樹と過ごした一年間で、俺は変わったし変われたのは亜樹のおかげだよ。ありがとう。考えてみて…」
「うん、ありがとう。考える」
考えるとは言ったけど亜樹には、答えはすでに出ていた