真実 32

彰子  2009-06-30投稿
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 九州に着き3月の末とは思えない程の暑さで、桜は散る間際の満開の時期を迎えていた。まだ本州はこれから咲く時期だったが…。 これまでも生活が出来てる事が不思議な位だったが、さすがに食べ物や環境、何もかもが違う生活はとにかく今の金銭では無理になった。
 淳は自分の生活も出来ない状態で養育費等、高額を支払うのは、無理だと言う事で、弁護士に相談に行った。
 養育費の減額を要求するにあたり、再度家庭裁判所で話し合いが必要と聞き、淳はまた前嫁の顔を見ないといけないのかと、うんざりはしたが、亜子達との生活が心配だった。
 子供達と淳に食べ物を優先し、亜子朝食、昼食と誰もいない時間帯に何も口にしていないのも、淳は知っている。
 給料から一万か二万しか残らず、後は支払いに回すしかなかった。
 淳は「すまない…」を心の中で亜子に謝り続けていた。
 亜子はその金のない生活に関して何も淳を責める事はしなかった。
 そんなところを責めても何もならない。この状況をどう乗り切るか、それが二人にとって重要だったのだ。

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