ラブレター 〜第8話〜

内田俊章  2009-07-01投稿
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さぐり ?


 その日の昼休み、工藤は、せっかく大きくなったアルミ玉を、坂本に渡して言った。

 「今日は、お前たちだけでやってくれ!俺と俊は、ちょっと用事があるから」

 俊章と工藤は、玄関へ向かい、外靴に履き替えた。

 2人は、グランドへ行くと、野球のベンチへ並んで座った。

 「伸也、悪いな。相談に乗ってくれ!」

 「何が有った?」

 俊章は、昨日雪子からもらった手紙の事と、今朝の雪子とのやり取りを話した。

 工藤は少し考えてから、口を開いた。

 「それって、怪しいな!」

 「怪しい?」

 「あぁ。偽物じゃないのか?それ」

 「ええ?偽物?それじゃ、俺はからかわれてる、って事か?」

 「いや、そうじゃない。誰かではなくて、雪子本人が書いたんじゃないのか?」

 「………」

 「『ご免なさい。本当は、私なんです。私は俊ちゃんが好きです』って事になるんじゃないか?」

 「それはないだろう?」

 「俊は、その誰かを探ろうとしてたのか?」

 「そりゃあ、そうさ。雪子にそう言われたら、まさか本人なんて、思いもしないさ」



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