「ふーッ食った食った。」大輔はお腹をポンポンと叩した。
「これで私の料理の上手さがわかったでしょ?」
テーブルの反対側に座っている美里は得意げに胸を張った。
「お前なー、カレーなんて誰でも作れるぞ。自慢することじゃねーよ。」
「何よー!3回もおかわりしたくせにそんこと言うの!それに私がカレーを作ったのは昔から大輔がカレー好きだったからよ。言っておくけど、他にも色々料理作れるんだからね!」
大輔は自分の好きだった食べ物を美里が覚えていてくれたことがやけに嬉しく何かが込み上げてきた。
「そっか、俺のためカレー作ってくれたのか。ありがと、美味しかったよ。」
「なな…何よ、いきなり…らしくないじゃない」
美里は頬を紅色に染めらした。
大輔はそんな美里を見るとなんだか自分の言った言葉がやけに恥ずかしくなった。
「こッ…こんなことなら翔太も誘えば良かったな!」
大輔は苦し紛れに話題を替えようとした。
すると美里は微妙な表情をみせた。
「翔太なら誘ったわよ。けど忙しいから来れないって言ってたわ。」
「そうかぁ…」
大輔は不思議に思った。翔太はサークルも入ってないし、バイトもしてないし、大学の課題も出ていなかったはずなのに何が忙しいのだろう?
…まぁいいか。翔太にも何か用事があるんだろう。
ふと美里の方に視線を戻すと美里はひどくいたいけな顔をしていた
「ねぇ…大輔…夢って正夢になっちゃうのかな?」