出会った時は知らなかった。
初めて話した時も気づかなかった。
……こんなにスキになるなんて……
ーカタオモイー
バイト先で出会った彼。
年下で生意気で、イジワル。だけど、優しくて…
でも、スキになるなんて…
「麻衣子!」
「ん?何?」
「呼んでみただけ〜」
「何それ〜!?バカじゃない!!」
「怒った?」
「……」
「怒るなよ…」
自分から怒らせたクセに…ズルいよ…そんな顔して…
「怒ってません〜」
「ヤッパ麻衣子だな。ノリ良いわ!」
そんな風に言われたくて、笑ってんだよ?
気付いてる?
気付いてないよね…だから、そんな無邪気なんだよね…。
「友達の彼女の相談にのってたら、好きになられたみたいで…」
「へぇ…どうして分かったの?」
「似た様な事言われた。」
「そぅなんだ…」
私…笑えてる?
いつもと変わらない?
「どうしよう…前は良いかなと思ってたけど、今は彼女とか欲しくナイし…」
ズキン…と心臓辺りが痛くなる。
「じゃあ…ハッキリ言った方が良いんじゃん?」
「だよな!!…友達とか麻衣子と居る方が楽しいしな!!」
「…そぅ…だね。」
ねぇ…何の相談?
何を言って欲しかったの?
言って欲しかった言葉、私ちゃんと言えた?
ちゃんと最後まで普通だった?
特別になりたかった…けど、こんな風じゃない……
「三浦さんと付き合っちゃおうかな!!」
「はい?何で??」
「趣味合うし、年も丁度良いから!?」
「意味不明だし!!って言うかイヤだから!!」
「いやいや、何でイヤなの?」
「……だって何かイヤなんだもん!」
「そっちのが意味不明だから」
仕方ナイじゃん…言えないんだから…
言えないよ……スキだから…なんて……
それとも、言わせたいの?
彼女要らないって言うのに?
私をハッキリ振りたいだけ?
もぅ…分かんないよ……
どうしたら…イイ?
スキがツラいよ…
キライになれたら…簡単なのに……