「あれは誰?」
リビングに入ってすぐにクロノがそう聞いてきた。おそらくテーブルの上にある写真のことを言っているのだろう。
「右の女性が私の姉のヤクサ、左の男が弟のシュバラ、で真ん中が私。」
「他の二人はどこで何を?」
ヒナツはその質問に少しだけ違和感があった。
「お前は私のところに来るときに私のことを調べただろう。なぜそんな事を聞く?」
「ヒナツの性格だけ調べた。他は後で良いかなって思ってさ。それに、自分で調べるのではなく、なるべくヒナツから聞きたかった。」
「おかしな奴だな。まぁいい。弟は一人暮らしをしていて高学舎会で学生をしている。ヤクサ姉さんは…軍刑技術開発部の技術者だった。」
「だった?」
「姉さんは一年前に死んだ。」