その調べ物の内容とはこのようなものだった。
隼人
「ひき逃げ事件についてだ」
達也
「ひき逃げ?」
そういえば昨日にもまたあったと今日のニュースで見た。
ちなみにヒビキの事故はそのひき逃げ事件とは関係ないみたいだ。
達也
「で…そのひき逃げ事件がどうかしたの?」
隼人
「ああ…俺の調べによるとどうやらひき逃げにあった奴らはこの学校の生徒らしいだ」
達也
「えっ!?でも先生たち何も言ってなかったけど……」
隼人
「学校が伏せているか…もしくは何かしろの理由があるか…だな」
達也
「なんで?」
隼人
「知らねーよ…そんなの」
隼人は僕にそう言うと前を向き直り、かばんから教科書やノートを取り出し机にしまい込んだ。
っとヒビキが話し掛けてきた。
ヒビキ
『なんかおかしいよね』
達也
(何が?ヒビキ?)
ヒビキは疑問に思っている事を僕に言った。
ヒビキ
『いや…だって昨日、ひき逃げにあったがここの生徒ならあとの5人もここの生徒だよね』
達也
(そうだね…それがどうしたの?)
ヒビキ
『なんでこの学校の生徒だけがひき逃げにあってるの?なんだかおかしくない?』
言われてみたらそうだ……
何故、この学校の生徒だけがひき逃げにあっているんだ?
偶然?……いや…それともその6人はひき逃げ犯に恨みでも買っていたのだろうか?
それになんで学校はそのことを隠そうとするんだ……
そう思っているとヒビキがおもむろに口を開いた。
ヒビキ
『もしかしたら魔法が関係してるのかも……』
達也
(どういうこと?ヒビキ)
ヒビキが言うには魔族が人族に犯罪を起こした場合、その事件の情報や証拠などは一時的に世間には公表しないそうだ。
つまり……このひき逃げ犯は魔法使いなのかも知れない……
ヒビキ
『この事件に関してもう少し知りたいけど……学校関係者が教えてくれるはずがないし……』
そう言うヒビキを背に僕はある人物の事を思い出していた。
唯一、学校関係者以外でこの事件の情報を持っている人が一人だけいる。
それは………………