後一年もあるんだ。
一年なんてまだ先だ。
あと一年も、この笑顔の横で笑っている事が出来るんだ―…
そう考えていた俺は、
一年の短さ、儚さ、そして何より、その存在の大きさを知らされる事になる―…
その日俺達はケンカをした。
苦しい事を隠されて、信用されていない気がした。
気が付いたら別れを切り出していた。
それで良い様な気がした。
「そんなに俺が信用出来ないなら…もう別れよう。他の奴ならひよいの満足のいく様に守ってくれるよ…」 「違う…違う!!」
「違わないだろ。もう良いから。でもな…もう少し信用してくれてると思ってたよ。じゃあな…」
うわああ…
ひよいの泣き声が胸に響く。
そして立ち止まって考えた。
気付いたんだ。
(俺が間違ってる―…)
慌てて戻った。
(謝ろう―…)
冷たくあしらった事。
信じてやれなかったこと。
謝らなくちゃ―…
さっきひよいと別れた場所。
そこにひよいはぐったりと倒れていた。
急いで病院に駆け付けたが…
もう…
…遅かったんだ。