身寄りのいないひよいの墓に俺は毎日通った。
その日も行っていた。
そして気付いたんだ。
「ひよい…今日は花火大会だよ…一緒に…行こうか」
ひよいはあのあと一回目を開けた。
「旭…帰って来てくれたの…?ありがとう…おかえり…」
そう笑顔で言った。
…それが最後だった。
今日も空は青い―…
夜、病院の屋上で、花火を見た。
隣にひよいはいない。
でも、一人で見ている気はしなかった。
花火は切ない音を立てて舞い上がる。
まるで旭の気持ちを現した様に。
「確かに…かっこいいな…あんな言葉を最後に…言わせてしまった俺よりは。」
花火と同様、切ない笑顔で花火を見つめる。
「…本当に…格好わりぃな…」
END