pain11

ミア  2009-07-06投稿
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フェンリは、少しだけ下から私を見つめた。私は心を鎮め、フェンリを見下ろした。フェンリは少し間を置いて話始めた。

「悪かったよ。不謹慎だった。でも、俺だって何も考えてないわけじゃない。ただ…少し思うところがあって。とにかくわかってほしいのは、俺は周りが思うより、真剣なんだ。アリスのことも、ちゃんと思ってる」

肩に置かれた手から、フェンリの体温が伝わる。真っすぐな視線から、強い意思が伝わる。

「…わかったよ」

私がそういうと、フェンリはぱぁっと表情を明るくした。

「本当?よしっじゃいこっ。暗くならないうちに」

フェンリはくるくる回りながら、また私の前を走り出した。

「はぁ…ほんとになんていうか……」

私は肩を落とした。本当に、全然掴めないやつだ。ただわかるのは、今野彼の言葉は真実なのだということ。
フェンリが「俺」というときは、真面目に話をしているときなのだ。

「アッシェン!はやく〜」

フェンリが叫んだ。気がつけば、とても小さく見えるところまで先に行っている。

「今行く!」

私はそうさけび、フェンリのもとへ走り出した。


「いったか?」

茂みから声がした。

「へい」

「よし、追うぞ」

ザッ

「おかしら、まってくだせぇ」

茂みから、数人の男達が出て来た。

「くっくっく…」

茂みからでてきた図体のでかい男は、薄ら笑いをうかべながら、

「野郎ども。今夜は狩りだ」

といい、のしのしと歩き出した。

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