僕の恋の始まりは中学の卒業式だった。
なんで卒業式なんだって思われるかもしれないけど、俺にだって分からない。会った事がなかった。
一目惚れだった。
高校生になったら会えない。
そんなことは分かっていた、だけど会った事もないやつに会ってすぐに告白はないだろう。
そして卒業式は終わった。
俺の恋も始まる前に終わっちゃうのか?
俺は帰り道考えた、どうやったらあの人に会えるかと。
まず名前はなんて言うんだろう。
俺はとっさに卒業アルバムを開く。
「いたっ!」
思わず声をあげる。
『石澤未帆』
ケータイを手に取り友達に電話をした。
「もしもし」
『なに、卒業式直後に』
「石澤未帆って知ってる?」
『あぁ3年1組の?』
「そう」
『かわいいよなぁで、そいつがどうした』
「会って話をしたい」
『へ〜一目惚れか』
「…」
『分かった親友の頼みだやってみるよ』
「ありがとう」
会えるんだあの人に。
なんでだろうドキドキする。
この日俺の一方的な恋は始まった