いつかまた〜80〜

友愛数  2009-07-07投稿
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僕は、その光景を見ても、不思議と冷静だった。


響の心が
泣いている


響は、苦痛の表情のまま、ゆっくりと、ちさから手を離した。
そして、背を向け、歩き出した。


少しずつ離れていく響の後ろ姿を見送るちさが、その時、


「響!」


叫んだ。



足を止め、振り返る響に言った。

「手紙…書くね!帰って来たくなったら、その時は、みんなで待ってるから!これは…!別れじゃないよ…!」

そして

「行ってらっしゃい!頑張って!」


流れる涙はそのままに、ちさは、最後に笑顔で響に手を振った。



響は、大好きだったちさの笑顔に見送られ、満たされたように、

「じゃあな!」

と、手を振り返し、公園から姿を消した。



響が居なくなった公園。

ザワザワと、並木が風に揺られて音をたてる。

ちさは、がくん、と膝を地面につけ、


「う……うぅぅっっ…!」


泣き崩れた。



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