蛙の願い(1)

安藤  2009-07-08投稿
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 なんだか性に合わんと思いつつ高校に入った。性に合わん、とはつまり進学校ということ。そりゃ勉強はできたさ、けどどちらかというとヤンチャかましてたさ、恋してたさ、青春してたさ。なのにこの籐宮高校ときたらなんというか・・あれだな、薄暗いね、うん。
 最初の友達は席が隣の子だった。よくあるパターンだ。名を大谷平次郎という。銀縁メガネなんてかけててなんだか取っ付きにくいヤツだが、見渡す限りは他も同じようなもんだ。するのは何気ない話・・テストどうだった?どこの中学出たの?天気いいねえ・・まあ、初対面の常套手段だろう。長く付き合ってたら話題も出てくるだろう。好きな女子、Mステ、できればちょっぴり卑猥な話も・・そんな期待をしながらのいわば「投資」だった、しかも満面の笑顔付き。大谷は堅物ながらも表情を少し強ばらせる、笑顔(?)・・かな?とにかく頑張ろう、とにかく友達作らなきゃ

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