さぐり ?
俊章は手紙をポケットに仕舞うと、トイレから出た。
そこには、工藤が待っていた。
「おぉ、伸也。居たのか?」
「あぁ、気になってな!」
俊章は工藤に、2通目の内容を、大方伝えた。
「しかし、あいつも可愛い顔して、中々やるな。呆れるよ」
工藤は、吐き捨てる様に言った。
「何か有ったのかな?雪子は、そんな人間じゃ、ないはずなに」
俊章が首をかしげながら言うと、工藤は、自分の頭を指差しながら言った。
「勉強し過ぎて、ここが可笑しくなったんじゃないか」
「まあ、余り悪く言うなよ、伸也。何か理由が、きっと有るんだよ。それで、これからどうしたら良いと思う?」
「そうだな。まだ本人と決った訳じゃ無いけど、無視したらどうだ?」
「無視?」
「あぁ。もし3通目を持って来たら、受けとるな! 『名前を教えなきゃ、受け取らない』とか」
「それで、どうする?」
「どうしても、渡したかったら、名前を教えるしかないだろう!」
「あぁ、そうだな。それが良いな!」
2人は、教室へ戻った。