身体を洗い、湯につかると大輔は独り言を言い始めた。
「それにしても驚いたな、美里が泣くところなんて初めてみたな…。よっぽど不安だったんだろうな…そりゃそうか…康平も拓也も千恵も殺されたんだし……。…次に殺されるのは俺か美里か翔太か…。そういや翔太ひとりで大丈夫か?……ん!…ちょっと待てよ…もし今夜俺が狙われてるとしたら……美里まで危ないじゃん!!」
大輔はこうしていられないと思い、急いで風呂からあがった。
しかしリビングに戻ると美里が大輔のベッドの上で既に寝息をたてていた。
「なんて呑気なやつだよ…。今夜殺されるかもしれないっていうのに…。しかも俺のベッドで寝やがって」
「まぁ色々あったから疲れたんだろう。しょうがない俺はソファーで寝るか。」
大輔は美里の寝顔をみてると何が起きても絶対に守ってやろうと思った。
大輔は家中の戸締まりをしっかりして、念のために包丁をテーブルの上に金属バットをソファーの横に寝かせた。
そして大輔は部屋の灯りを消し、ソファーに横になった。
外からは月明かりもなく、何かを暗示するが如く轟轟たる雨音と雷鳴が聞こえてくる。
「……何も起きないでくれよ」