「……おい、無視すんなよ!これじゃ俺ただの情緒不安定人間みたいじゃないか!」
「…あまり大きな声を出さないで下さい。テレビが聞こえません」
「やっと喋ってそれかよっ。てか、んなこたぁどうでも良いんだよ!いつだ!いつ食ったお前は!俺が大事に取っておいた、○祥寺の芋羊羮!」
「五分前」
「予想外に近い!?」
「食べ過ぎて甘ったるくなったので、現在煎餅にて治療中…」
「何持ったいねえことしてんだ!返せ!今すぐ返しやがれ!」
「胃の中の物を吐き出せと…?…あまり無茶なことを言わないことをおすすめします。男としての品格が問われますよ?」
「違えよ、買ってこいって意味だよ!それにこんな事程度で男の品格がどうたらなんて関係あるかぁ!」
無い。
無い…筈。
関係無いよな…品格。
「…仕方ありませんね。ならばこれを贈呈致しましょう」
奏はヤレヤレといった様子で(どう考えてもこいつがそれをやって良いとは思えない)そう言って、こちらを見ないまま何か円盤上の物をヒョイッと投げた。
俺はそれをパシりと受け取った。
見る。
「…おい、これ」
「まがり煎餅です」
「いるかぁ!」
絶叫した。