駅前のアパートの一室。
殺風景な六畳半の1Kに
ソファが一つ、
ベッドが一つ、
小さなガラスのテーブルが一つ
置かれている。
どうしてあんなこと
言っちゃったんだろ。
真龍は
ソファに寝転がって
街頭の明かりのせいで
星の見えない夜空を眺めていた。
理由は
分かりきっている。
初めて会いに行った、
たった一つの姉さんの形見が、
自分の全然知らない男と
幸せそうにしてたから。
これも嫉妬って
言うのかな。
機械相手なのに、ね。
ベッドに飛び込んで
枕に顔をうずめる。
柔らかい羽毛と布の塊が
真龍を優しく包み込んだ。
早く帰りたいな。
夜はゆっくりと
更けていった。