あの日から1年がたった。あれからきむに逢うことはなかった。
カズマから薬を飲み続ける事できむは症状を抑える事ができ、仕事にも復帰したと聞いた。
この1年の間、私の体にも変化が起きた…
毎日ほとんど眠らなかった。
激しい頭痛、毎日微熱が出るようになっていった。
心配した母に連れられ、検査を受ける事になった。
医者からの説明は…
『白血球異常です。通常の人よりも白血球が4倍になっています。これから先、風邪もひいてないのに高熱が出たり、歯磨きをして出血がひどくなったらすぐに病院に来てください。』
それを聞いた母は動揺していた。
そして最後に先生は
『急性白血病の可能性があります』
と言った。
私は怖いとは思わなかった。
むしろきむと同じ病気かもしれないと言われ、嬉しい自分がいた。
‘きむ、きむと私はやっぱり運命の糸で繋がっていたんだね’
それしか頭になかった…
死に直面するかもしれないと言われたのにそれすら喜んでしまう程きむとの関わりが欲しかった。
‘会えなくてもなんでも私はきむと一緒だよ。これは運命だよね。’
私の心の中にはこの1年きむが居続けた。
そして私はこんなにも普通ではなくなってしまっていた。
きむを愛せば愛す程、私はどんどん自分を失っていった。
そしてきむに連絡をしてしまう…
1人の人をずっと思い続ける事なんてきっと簡単じゃなくて…
寂しくなったら近くにいる人の所にいってしまう…
だけど私はそれでもきむしかいないと思ってた。
この日から、そんな気持ちを私はきむに全力でぶつけていった。