啓吾はいつの間にかスィークレット・カムパニーの入り口の前に立っていた。翔達のことを考えながら歩いてるうちにたどり着いたのだ。啓吾は、ゆっくりとドアから入り長い廊下を歩いた。そして、奥にある小さなドアを開けた。
「あっ!啓吾だ」
大きな声が前から聞こえた。啓吾の姿を見つけた凛が言ったのだ。
「啓吾、何処ほっつき歩ってたんだ?」
龍華は少し怒り気味だ。
「まぁまぁ・・・。それより啓吾君ココに新しいメンバーが加わるから、紹介するね」
と、藻が言うと源二と一緒に歩いてくる少年と少女の姿が見える。源二達は藻の隣で止まった。啓吾は藻達の近くに歩いて行った。
「じゃぁ、紹介するね。由宇君と李那ちゃんだよ」
と、藻が言うと由宇がムッとしたような顔で一言言った。
「よろしくな」
次に李那が啓吾の近くに来て言った。
「啓吾って言うんだ。かっこいいね!」
「は、はぁ?」
「ヨロシクね、啓様」
「け、啓様ぁ?」
と、怜は驚いたように言う。
「あの人、どぅかしてるよね・・・」
凛は小声で言った。
「さてと、じゃぁ明日はこのメンバーでミッションをこなしてもらう。こいつらは、凛と同じで戦いなれてねぇから、面倒みてやれよ」
源二は青いファイルを開いて中を見ながら言った。
「は?ファーベル島に行かねぇのかよ?」
「馬鹿。入ったばかりの2人と組みなれてないだろうが!」
と、龍華は怒鳴った。近くにいた怜と凛は耳を両手で押さえながら聞いていた。
「明日の正午。ダラットに言って来い」
「ダラット・・・ですか?」
「何でそんな所に?」
と、怜と凛が言うと源二は見ていたファイルから1枚の紙を取り出して、見せる。
「泥棒っ?何で、俺らがそんな仕事をすんだよっ!」
「新チームの奴らにはこのくらいの仕事で充分だ」
啓吾と怜と凛は同時にため息をついた。