達也
(一人だけ……事件の情報を教えてくれそうな人がいるよ)
ヒビキ
『え!?だ、だれ?』
そう聞かれた僕は一瞬、言うのに悩んだが言う事にした。
達也
(え〜っと……高崎会長)
それを言った瞬間、空気が一瞬凍り付いたのがわかった。
やっぱり言うべきじゃなかっただろうか……?
しかし時、既に遅し……ヒビキは不敵な笑顔で僕を見ていた。
その顔は見た目は笑っているように見えるが心では笑っていないということが一目でわかった。
ヒビキ
『あ〜……いたっけ…そんなクソ会長』
達也
(クソ会長って言う時点で知ってるだろ)
ヒビキ
『う…………』
そう言われ口を膨らませるとヒビキはそっぽを向いてしまった。
達也
(まぁ……昼休みにでも会いに行ってみよ)
ヒビキ
『……………うん』
キーンコーン カーンコーン
そう言うとチャイムが鳴り本条先生が教室に入って来た。
何にせよ昼休みに僕たちは会長に会いに行くことにした。
…………………
……………
………
−昼休み−
昼休みになって僕は事件のことを聞きに3階の生徒会室まで来ていた。
達也
「会長いるかな?」
生徒会室のドアを開けると生徒会の人達が数人いた。
生徒
「何か用ですか?」
達也
「高崎会長は今どこに?」
生徒
「会長ですか?多分、屋上にいると思いますよ」
達也
「そうですか…ありがとうございました」
そう言うと僕は3階にある生徒会室を後にして屋上へと向かった。
階段を上がり屋上のドアを開けるとそこには人の姿はなかった。
達也
「あれ?会長……いないな」
ヒビキ
『入れ違いになったかな?』
いや多分、それはないと思う。
階段は一本だけだし、もし会長が降りてきたなら僕たちと鉢合わせするはずだ。
つまり会長はまだ屋上のどこかにいる……ということになる。
そう思い屋上を捜していると上の方から声がした。
真司
「おや…誰かと思ったら桐原君じゃないか」
僕は声がする方に向くとそこには高崎会長がこちらを見下ろしていた。