エルファ・人形残酷物語22

ぐうりんぼ  2009-07-12投稿
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 さっそく、ルーシーはマルシア邸を訪れた。

 久しぶりに見る旧友にエルファは大喜び。

「サァ、遠慮セズニ入ッテ来テ」と、ルーシーを部屋に招き入れる。

「お邪魔しまーす」

 ルーシーは興味津々で中へ入って行った。

 その様子を、マルシアやジャック、スザンヌたちが隣の部屋から伺っている。

 ルーシーはエルファが目を離しているスキに懐のボタンを押した。

 超小型の隠しワイヤレスマイクを忍ばせているのだ。

 ルーシーとエルファの会話はこのマイクを通じて、マルシアたちのいるスピーカーに流れるようになっている。

 2人の間ではどんな会話が行われるのか、マルシアたちは聞き耳を立て始めた。

 ルーシーは思った。

 お姫様みたいな贅沢な暮らしをしているエルファの部屋って、どんな感じなのだろう?

 実際、目の当たりにしてみると…

 うーん、なるほど。

 中は広く、家具や調度品はみーんな高級品ばかりじゃないの。

 意外とキレイにしているのには、驚きだわ。

 エルファは昔から、あまり掃除をやりたがらないタチだから…

 てっきり、中は散らかっていると思っていた。

 マルシアかジャックにやらせているかもね?

「…」

 人形部屋で遊んでいた子供たちは、突然の来客人形に目をパチクリ。

 自分たちの親以外の大人の人形を見るのは、初めてなのだ。

「こんにちは、可愛い子供たち」と、ルーシーはニッコリと挨拶。

 子供たちの方は何も言わず、ただボーっと突っ立っているだけ。

…コラァ、挨拶ぐらいせんかい…と言いたくなるけど、黙っておく。

 ガキどもを怒らせたら、口の悪いエルファは何言い出すか分からない。

 今はガマンガマン。

 まあいくら注意したって、子供たちにはピンと来ないだろう。

 母親自体が躾らしい躾はしておらず、放任状態でいるのだ。

 だから、注意する事自体が無理なんて話し。

 気を取り直して、持参して来た大きな袋をヨイショと床に置いた。

 ヒモを外して封を開け始める。

「ソレ、ナアニ?」

「何でしょう?」

「キット、爆弾ネ?」

「え゛…?」

…アンタネェ、どこからそんな発想が出るの?…



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