───それから私は、中学生になった。
中学生になる頃にはよく金縛りに合うようになっていた…。
ピキィッと手足が固まり、心臓が物凄い速さで脈を打つ…凄く苦しい…。
それから少しすると声が聞こえてくる…
「うぁ…あぁ〜……おぉ〜…」
私は苦しさと怖さを堪えながら心の中で
「南無阿弥蛇仏…南無阿弥蛇仏……」
と、必死で唱える…。
それから、金縛りに合うと決まってお経を唱えた…。
────────。
ある日の夜、とても酷い金縛りに合った。それはいつもと違う体験だった…。
苦しさと…
重たさと…
痛さ…
私は『誰か助けて!』とばかりに必死でお経を唱えた…
『…ドサッ!…ドサッ!』
……!!
“いつもなら私の横に居るのに…こいつ…私の上に乗っているんだ…!”
私の上に居る“そいつ”は、激しく私の布団をはごうとする…。その時のそいつの顔と言えば──。
小さな子供…可愛いらしい髪型…顔は…潰れていてなかった…。
私はあまりの怖さのせいかその後の記憶がない……。
────────。
その後も、学校で足だけ歩いてる姿が見えたり、机の下に体育座りをしている男の子が居たり、先生の車の中に乗っている女の人だって見たりした…。
そして現在、私は高校生。
不思議な事に幽霊を見たりはしなくなった。
金縛りは今でも続いている…けれど、昔程ではない…。
私の霊体験はもうこれで終わりであってほしい…。
†終わり†