いつかまた〜84〜

友愛数  2009-07-13投稿
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「え!?アンタ達まだキ…もがっ!」

わあぁぁっ!
叫びかけた恋歌の口を、瞬時に塞いだ。


「バッ…!ここで言うなよ!」

ここはアニメーション科の教室。他の生徒もいる。


コク、コク、と頷く恋歌を見届けてから、ゆっくり、恋歌の口から手を放す。


「…まだキスもしてないの?アンタ達、付き合って何ヵ月…?」

今度は囁くように言う。


「………」

「…………」

言葉を失う恋歌。


そんな気なんてなかった。

いや、それは詭弁だな。


ちさに触れたい。

そんな思いがないなんて、到底言えない。

だけど。
考えてもみろよ。
この数ヵ月間、制作に重きを置いていた。
響との事があった。
そんな時に、ちさに触れたいなんて。


違う。



そんな理由じゃない。


僕自身が、怖かっただけ。

触れてしまえば、多分、僕は歯止めがきかない。


ちさへの独占欲が、僕を支配するだろう。


響がいなくなったからってその感情に身を任せていい訳がない。


響がどれだけの想いで、ちさに別れを告げたか。


ちさの気持ちは。



「別にそれが全てじゃないだろ。今ちさは、卒業制作にとりかかってる。邪魔したくないんだよ」

それは本当だった。



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