アスカが取り出した物…
それは地図だった。
普通のここ黒北市の。
「何これ?」と、ユリが地図上の黄色い印を指差しながら言った。
「何か分からへんの?」と、アスカは言いながら、ユリを見下している。
「俺も分かんねぇ」と、ユキオが落ち込むように言った。
数秒後に、「もしかして連続空き巣事件に狙われた家の場所?」と、ルイがぼそっとつぶやいた。
「当たり。さすがはルイ君やなぁ。」と、アスカが言った。
「そういやぁ、昨日で13件目だっけ…でもそれがどうしたの?」と、ユウキが言った。
「気付かへんの?」と、アスカが言うと、
「もしかして、狙われているのは俺たちが通っている黒北南中学校の近くってことなん?それならもうとっくに気付いてるよ。」と、ユウキが言い返した。
「この辺りの黒北第3ニュータウンの住人は兼業率が高く、首都の京への移動も便利だから、昼間の人口は学校に行ってる人を引くと、確か47%って言ってたような…」と、ルイが付け加えた。
「それに犯行は3日おきだしね」と、ユウキが自慢気に言った。
「なんや、分かっとったんかいな。明後日行ってみいひん?」と、アスカがみんなに聞いた。
「いいよ!、明後日は保護者会だからね。みんなで一緒に行こう?」と、ユリはみんなに聞いた。
高校生のユキオ以外は、「もち!」と、答えた。
こうして明後日に黒北第3ニュータウンに行くことになったが、この時まだ彼らは知らなかった。あのようになるとは…