涙が… ?
「さっきね、俊ちゃんが、ラブレターをもらって、喜んでいるって言ったけど、あれは嘘なの!本当は悩んでいるんだよ!苦しんでいるんだよ!」
雪子は顔を上げて、大きな瞳で遥の目を見た。
すると、大きく見開いた雪子の瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
遥は、雪子を抱き寄せた。
そして、全てを悟った雪子は、遥に身を預けて泣き始めた。
雪子は、泣きながら言った。
「私は、遥がうらやましい!」
「ええ?私が?」
「うん。遥は美人だし、何でも積極的に行動出来るし……。私なんて、眼鏡をかけてるし、チビで童顔で、ガリ勉って言われて……」
遥は、母親が我が子を諭すように、雪子の髪の毛を撫でながら言った。
「そんな事ないよ!ユッコは、私なんかより、ずっと可愛いいし、頭も良いし、皆の頼りになるリーダーじゃない!私の方こそうらやましいよ!」
雪子は、遥の腕の中で、首を横に振った。
「それに、俊ちゃんの初恋の人って、ユッコなんだよ!知ってた?」
雪子は驚いて、顔を上げて遥を見た。
「ええ?私が?」