「昌平なら上に居るよ」
「あっ、別にいいんだ・・ごめん」
また晶は何故か謝っている
晶はオレに何か用があってここに来たんだろう
凄く聞きづらそうな風陰気だけど、オレが行かないと
そう考えていると
イッシーが話し始めた
「三井さん、たまにうちらが居ない時ここに来てるでしょ?」
「うん・・、ごめん、もう来ないから・・本当にごめんなさい」
頭を一つ下げ
晶が非常階段の扉の戸ってに手をかけたその時
「ちょっと待ちなって言ってんじゃん、話しまだ終わってないんだけど」
何回も謝って、頭まで下げている晶に、まだ何か言う気なのか
さすがに頭にきはじめたオレは
いくら仲間のイッシーでもゆるせねェ、そう思い
起き上がり、立とうとした時だった
「うちら前から、三井さんはなんで昌平としか話さないのか気になってたんだよね
で、たまたま志乃の彼氏の後輩に桜中の子が居てさ」
桜中とは、晶がこの中学に転校して来る前に通っていた、仁先輩がいた中学だ
その桜中にいる時、何かあったのか?
出て行きづらい空気と
桜中での晶の何かあったらしいその理由も知りたいオレは
もう少しこのまま
女連中と晶の様子を見ている事にした
「あたしの彼氏の後輩の子に会った時、三井さんがうちらの学校に来たって事を話したんだ」
志乃のし始めた話しを、晶は黙ったまま聞いている
「三井さん、桜中でも、今と同じほとんど誰とも口きく事なかったんだつてね、っていうか、仁先輩と仲がいいって事でみんな怖がって、三井さんに近づかないってだけじゃなくて、みんな三井さんの事をシカトしてて、それで今みたいにいつも一人だったらしいね」
少しの沈黙があり
さっきまでは気付かなかったが
何故かニチを抱いている晶は、下を向いたままでいた
あまりにも見ていられなくなったオレは
やっぱり下へ行こう
そう思い立ち上がった