「凄いことって?」
和也は恐る恐る聞いた。
ローブ姿の男は和也の顔をよく見て、やがてにっこりしてこう言った。
「和也君。君は今日から、魔法使いなんだよ」
「魔法……使いだって?」一瞬、両親の顔が蒼白になっていたような気がしたと和也は思ったが、それよりもとても興奮していた。
「あー、でも、なんで?」和也は聞いた。
「君は選ばれた。あの偉大なる魔法使いからね」
ローブ姿の男は少し興奮していた。
「それでだ。君には学校にきてもらうが、いいかな?」ローブ姿の男が和也に言った。
「いまいちよくわからないんだが、君が魔法使いだという証拠はあるのかね」
今まで話さなかった父親が聞いた。
「もちろんですとも!」
男は少し憤慨して言った。
「ですが、あなた方には見せてはいけないことになっていますので」
情けなく男が付け足した。
「信用できないな…それでお金はいくらなんだ」
父親が言った。
「お金なんていりません。それと和也君には寮に入ってもらいます。ですが心配は無用です。そこは世界で最も安全な場所であると、私は自負しています」
自信満々に男が言った。
「では、また明日」
次回へ続く