すぐにアイに会いに行った。初めは、「会いたくない」って言われて会わせてもらえなかった。何度か行った時、「少しの時間なら」と入れてもらえた。
『…アイ…大丈夫?調子どう?みんな心配してるよ。』『……。』『…これ、ナナから預かったの。手紙だよ。ユミからの手紙も入ってるから。』『……。』『……ねぇ、アイにね話したいことがあるの。……早坂翔太。この前、聞かれた時はただの幼馴染みだって言ったけど…本当は、高校入ってからずっと、付き合ってたの。…嘘ついててゴメン。………それとね、去年の卒業前……襲われたことが…あって…。その時から一緒にいてくれてたのが翔太なの。…ずっと、話したくなかったんだけど。アイには知っててほしい…。と思って。』『……ありがとう。』『うん。』『………ぶつかった。』『え?』『…ぶつかっただけなの…。…ただ…普通の人とただ…ぶつかっただけで…そしたら、急に息ができなくなって…体が震えてきて…立てなくなって…何も見れなくなって。人と会う度にこんなんなって…だんだん人と話すのが嫌になって…はぁ、はぁ……』『アイ!大丈夫?落ち着いて…大丈夫だから。』━━自分を見てる様だった…。オトコが怖い自分と…人間が怖いアイ。症状も似ていて、本当に自分を見てる様…。
『大丈夫、怖いのはアイだけじゃないよ。ずっと…怖いの。襲われてから、ずっと…でも、アイとか翔太とか、いつも一緒にいてくれるから安心できるの。……大丈夫だよ……。』
『…ダイくんね、逢いたがってる。でも、逢えないの知ってて、ずっと悩んでるの。ダイくんはアイにとって、大切な人でしょ?時間掛ってもいい…だから、安心して頼っていいはずだよ?』『…あ、りがと…』『ダイくんに逢う?』『…え?』『実はね、今日もアイの所に来るって言ったら一緒に着いて来ちゃったの…翔太も一緒なんだけど、逢う?』
気付けないことに気付くことがきっと、一番、大切なことなんだと思う。