アンタに会った瞬間 あたしの心のトビラは開いた。
―生きるのがヤダ。
だって 今のアタシに 楽しい事なんて ない―…。
ガラッ… アタシが教室のドアを開けると、いつも騒がしい教室が一気にしーんとした。
いつも遊んでるともだちに声を掛ける。
「麻紀っ… 裕子…」
「何?話し掛けんのやめてよ」
「友達の彼氏オトしといてよく余裕でいられるよねー」
「まぢサイテー」
口々にアタシに対しての悪口が飛び交う。
昨日、男子に呼び出された。
好きだと告白された。
アタシは無理だと言ったが強引に抱かれた。
多分その光景を見てたんだと思う。
「ヤリマン」
裕子が一言言うと、教室内が爆笑に入った。
それからアタシへの嫌がらせは続いた。
教科書は無残に破られ、ジャージを隠され、メアドを公開される。
アタシはもうボロボロになっていた。
ある時クラスの男子に暴行されそうになった。
そんな時来たのが優斗だった。
「何やってんだよ!」
「やべぇっ」
男子達は逃げて行った。
「おい…大丈夫かよ…」
「優斗…アタシいじめられてる… 助けて…」
優斗は彼氏。
半年付き合ってる。
ある朝―…。
「うっわ〜…まだ来てんの?」
「まじウゼー」
アタシに向かって硬いボールが投げられた時…
バン!勢いよくドアが開く。
「俺の女に手出ししてんの誰だよ!」
優斗…来てくれたんだ…
「は…い…」
リーダー的存在の春子が立ち上がる。 「てめぇ…ふざけんなよ」
「ごめんなさい…」
「ごめんね…」
「いいよ。でももうこんなことしないでね」
「うん」
放課後…
「優斗…ありがとう」
「ばっか!彼女が困ってたら助けんのが普通だろ!」
「ありがとう…あたしちょっと強くなれたかも…」
優斗はアタシの頭を撫でた。