「お前はバカだな〜。人間は六〜七割は水なんだぞ。まぁ三割使ったら死ぬけどな。」
「ついでになくなった水分はどの水からも補充出来ますよ。」
「よく分かった。契約もすんだなら早く帰してくれ。帰りが遅いとおふくろが心配するからな。」
そう朝紀が言うと納得したようにうなずくペンとギン。不意に真っ青な空間が歪み、消え始めた。
−目を開けるとそこには蛍光灯と見慣れた四角い窓があった。
「戻って来たな。傷もないし。多分なおしてくれたんだろ。」
立ち上がって朝紀が最初に見たのは無数の氷のトゲが突き刺さったピエロだった。
「一体なにが?義春はどうしたんだ?」
訳がわからず立ちすくんでいる朝紀に古澤が声をかける。
「あいつはもう動かないよ。安心していい。」
「おっちゃん何があったんだ!」
「君まで僕をおじさん呼ばわりするのかい!?っとまぁいい。こいつは僕が倒しといた。」
おっちゃんと呼ばれたことに少々落ち込みながらも、状況を説明した古澤。この十分後に警察が到着し、事態は終息をむかえた。
−死者27名
−重軽傷者12名
−学校、二週間の臨時休業
次の日の新聞の一面を飾った。