ある男の日記

ルイス・サイファー  2009-07-17投稿
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8月7日

日記を書き始めてしまった。

理由は最近物忘れがひどくなったから。

若年のアルツハイマーが増えてるらしいが、おれまだ20代なんだけどな。

暑さのせいかも。


でも口では言えない事を書くのはストレス解消にもなると聞いた。
ブログを世間に公開するのもなんだか気恥ずかしいので、日記だ。

気が向いた時になにか適当に書くとする。





8月25日

給料日。休日。

女房と街に出掛けた。

幸福。
こいつと一緒になれて本当に幸せだ。

ぶらぶら買い物した後、カフェで休憩。

ふと女房を見ると、近くの噴水で遊ぶ幼い子供を微笑みながら眺めていた。


子供か。


欲しいけどな。

共稼ぎでなんとか生活できてる現状ではやはり厳しいんだろうな。

もっと頑張ろう。

二人で安心して子育てが出来る様になろう。
そう思った。





9月7日

仕事で外に出ている時、また外国人に英語で話しかけられた。

困った。

身振り手振りと若干の英単語、後は日本語で乗り切った。

その後トイレで鏡を見る。

ブロンドで青い瞳のおれが立っていた。

イギリス人の親父は日本が好きすぎておれに日本の文化しか教えず、一切英語を教えてくれなかった。

本人も常に割りと流暢な日本語で話していた。

「国際化も大事だが母国の文化も重要だ。」

が口癖だった親父のせいで英会話が全く出来ない。

見た目はガイジンなのに英語の出来ないおれは常に肩身の狭い思いをし、学生時代はよくからかわれた。

日本人のお袋もおれを心配したが、お袋も英語が苦手だった。


親父め。

この恨みを晴らす前にとっととくたばりやがって。

せめて遺伝子くらいお袋寄りにしてくれればよかったのに。

今日も女房から英語の個人レッスンを受けた。

ハーフのおれより英語の出来る日本人の女房。

やっぱこいつと結婚してよかった。





9月18日

やはり物忘れが多い。

脳トレなどを試しても効果は芳しくない。


最近は一つの出来事をまるごと忘れたりする。


「英語が全然上達しないのもそのせいにしてない?」

女房が笑ってる。


親父め。





10月4日

妙な夢を見た。

延々と上り続けるエレベーターに乗っていた。

ボタンも階数表示も無い、棺桶の様なエレベーターだった。

止まらないそれに不安を覚え、扉を拳で殴った瞬間に目が覚めた。

なんだこの夢?



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