オ…ン
レ……ン
「………??」
「レオン!」
聞き慣れた声にゆっくりと起こされた
目の前には煙草を吹かす女と乱雑に並べられた書類の山
「起きたー?ほら、昨日頼まれてた書類の奴。」
ヒョイと束になった書類を俺の頭に被せるように投げられ中場無理矢理起こされる
「これ…もう終わったのか??」
「終わったってかアンタが寝てただけでしょ。」
女が見ろと言わんばかりに時計を指すともう朝の5時過ぎ…
随分寝てしまったようだ。女も疲れのためか椅子に腰掛けて頭を抱えている
「…サボり屋のお前に先越されるなんて俺も落ちたもんだな。」
「ん…?あぁ…ね…」
限界気味だろうか…いつもの冗談にもまともな応答無しだ
ここはニュールトリカ刑事局第5捜査室のある一室。
ニュールトリカってのはこの街の名前で刑事局は街を取り仕切ってる治安維持機関の名称だ。
刑事局一のぐうたら組織と呼ばれた俺達第5捜査室も本部に置かれてからは酷いくらいの激務に追われている
俺達の専門はヘロム関連の事件を取り扱う起動隊けん特別捜査室………の筈なのだがヘロムが消え去ってしまった今では他の捜査室の助っ人やデスクワークがほとんどで正直気がめいってし