キャッチボール 第22話

るー6  2009-07-17投稿
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「大丈夫。オレがついてる。オレはみーくんの味方だから。」
龍吾は微笑んでくれた。「嫌なときメールしてこい!絶対力になるから!」
「うん…。」
龍吾の一言は本当に励みになる。
「じゃあな…。辛いときメールしろ。すぐ駆けつける。」
出会って2ヶ月が経ち、色々なことで龍吾は僕を励ましてくれた。
しかし、いっくら励まされても父が来ることは変わらない。
龍吾…僕はまたあの暴力を見なくてはいけないのでしょうか。

助けて…

おそるおそる家に入ってみると、父はもう来ていた。
家中に広がる怒鳴り声。母の泣き叫ぶ声。
僕はこの光景を見て育ってきた。
物は飛び交い、家の中は…泥棒でも入ったかのように散らかっていた。
僕がリビングに入ると、二人はこっちを見て、痣だらけの母が、
「おかえり。あっち行ってなさい。」
僕は立ち尽くす。すると父が、
「久しぶりだな。」
低い声。いかにも僕にまで手を出しそうだ。
「ちょっと来い。」
約半年ぶりだ。僕は恐怖の余り抵抗できず、
「どこ行くの?」
「来いったら来い!」
父はバットを持っている。…まさか!!
「殴らないで!うちの子に…手を出さないで!」痣だらけのやつれた顔で弱々しく言っている。
父は母親を蹴り飛ばすと、
「転校させる。いつまでもこの町に居られると迷惑だからな。」
背筋が凍り付いた。
「いくぞ。」
車に乗せられた僕は、ただ泣いていた。
「おまえの母ちゃんの実家の近くにしよう。そっちの方が暮らしやすいだろう。」
「……。」
「いつまでもココに居られると邪魔なんだよ。」じゃあ、転校…?
友達もまた1から…?
龍吾…どうしよう。
このままじゃ連れて行かれる!!



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