辺りを見渡すと、カップルだらけだった。
ほらね、みんな手を繋いだりしてるじゃん…。
今も一緒に下校してるのに話しすらしていない。
…。
…手を繋ぐには、少し距離があった。
私は離れて歩く彼に近づく。
もう…少し!!
手をそぉっと伸ばしながら、彼の方をちらりと見た。
…!まただ…。
彼はいつも思い詰めたような顔をして俯いている。
焦り、不安、悲しみ…そんな感情に近いように見えた。
どうして…?
どうしてそんな顔しか見せないの…?
私、頑張って話しかけてたのに…。
…私の事嫌い…?
あっ…だからあの時迷ってたんだ、私…気持ちを押し付けてた。
…ごめんなさい。
迷惑だったよね??
そしたら私…
『別れ』
その言葉が私の悩に浮かんだ…。