見上げた夜空からは、一つ、二つ、雨粒が落ちただけで、もうそれ以上何が起こるというわけではない。 生まれたばかり、四方を囲む高層ビル。かすかに上の方で点滅する赤いランプは、とても遅い。僕の胸の鼓動か。徐々にゆるやかに、強くなる鼓動はあの赤ランプとやがてシンクロしていく。 僕の右手は、僕の左胸にあてがわれていた。小さく、大きく、弱く、強く、止まれ!、止まる…。 一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ、数え切れない量がいっぺんに落ちた。 そうだ、止まらないんだ。
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