一回戦、シードのため試合のない翔星学院の選手はそれぞれに色々なことをしていた。
試合に備え、打ち込みをするもの、ストレッチをするもの、休憩がてら話をするもの、リラックスするために音楽を聞いているものなど試合にでるものでないものがそれぞれにそれぞれのことをしている。
「おい、真也。」
同期が市瀬を呼ぶ。
「何?」
市瀬は打ち込みを手を止めた。
「前、お前が言ってたやつ。本山高校だっけ。」
「そうだけど。」
「さっき試合見かけたけど、勝ってたぜ。5-0の圧勝。まぁ、相手は公立の岡野高だからな。勝ってもおかしくないけどな。あっちで強いのはベスト8の正台高校くらいだろ。本山もそこでストップだな。」
同期の井口が言った。
「そうか?俺は本山が勝ち上がってくると思うよ。じゃなきゃ意味がないしな。」
市瀬が言った。
「本山に固執してんなぁ。どっちにせよ、勝つのは俺らだろ。」
井口が笑いながら言った。
「それには変わりないよ。」市瀬が答える。
そう言うと市瀬は再び打ち込みを始めた。
ヒュッ、バッ!!
市瀬の鋭い技の打ち込みが再び始まる。