黒い日誌にはMデパ-トでの過去の警備記録が全て書かれている。 1996年7月8日20時55分。 閉店まじかに幼児を連れた主婦を発見したが 消える。 以後毎年7月8日に幽霊を目撃しほぼ警備隊14名が異常無しと書いている。 たしかに幽霊は悪さをする訳でも無いし強盗や不審者では無いからデパ-トも黙認している。 しかし2006年の個人情報保護法以降この記録は無い。
また3年ごとに配置が変わる為に当時の事件を知る警備員はもういない。 「ここまでか。」
僕は今度は2007年まで警備していたS市の商工会議所の警備記録を読んだ。
「えつ!」僕は息を飲んだ。 二人を最後に発見した赤池警備士は、この転属先の屋上で自殺していた。