永遠なんてあるの【41】

ゆな  2009-07-19投稿
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光平さんのことを考えて過ごす日々は、周りから見れば抜け殻のようだった。

私は殻に篭っているだけなのだけれど…。

毎日、お見舞いに来てくれる真さんを見て看護士さんたちは

「仲が良くていいわね。」

と言ってくる。

「そんなことないですよ。」

と笑って返答する私。

実際に仲は悪くない。

でも、看護士さんたちが言うような「仲がいい」わけでもないだろう。

こんなに、お見舞いに来てくれる人は、珍しい。

それは、長く入院していて気付いた。

お見舞いに来る人は、週に1回2回程度だと、他の患者さんを見て思う。

だから、看護士さんたちはふざけて

「愛されているね。」

と、からかってくる。

実際、愛されていると思う。

ただ…

それに、答えていれない私。

現実に起こっていることは、私と真さんが仲がいいってこと。

心の中までは見抜いていない。

話さないのだから、わかるはずもない。

でも、真さんは気付いている。

私が光平さんを想っていることを。

私は真さんにとても残酷な想いをさせている。

それなのに、思うのだ。

光平さんの前から突然いなくなった私より、真さんが納得するまでは、このままがいいのではないかと。

私が光平さんに会えていれば、こんなに引きずっていなかったのではないかと…。

思えば思うほど、真さんへの態度はこれでいいのではないかと。

自分を正当化させていく。

本当は何が最良の道かなんてわからない。

でも、人は無意識のうちに1番いい道を選んでいると言った人がいた。

それが、本当なら、今が最良の道なのかもしれない。

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