ケーキを買って車に乗り込むと、健太はケーキの箱を取って後部座席に置いた。
『ありがとう。』
車を出して交差点の信号待ち、健太は私の右手を優しく握り締めた。
健太は私の小さな心の揺れにとても敏感だった。
『健太は、優しいね。。。。安心する。』
健太の実家は市内から1時間の町にある建設会社だった。
私たちが着くと、家族が総出で出迎えてくれた。
温かい雰囲気は健太そのもので、彼の基盤を見たようだった。
『久美子ちゃん、健太は親の私が言うのもなんやけど、ホンマに優しいて思いやりある子やからね。久美子ちゃん健太をヨロシク頼むね。』
お母さんは今すぐにでも結婚したらと言ってくれた。
『健太は愛情いっぱいで育ってきたんやね。なんか楽しかった。』
マンションの前まで送って貰う。
車を降りる前に健太は私を抱き寄せてキスをした。
いつもより長いキスをした後、健太は言った。
『久美子…今日、俺のマンションに泊まってくれへん?』
健太と付き合い出して半年、キス以上はなかった。