「リュウ」
ウリューゼアは突然の来訪者に驚いて、名を呼んだ。
「炎の部族の長殿。王より正式な依頼で参りました」
リュウは恭しく頭を下げてウリューゼアを迎えた。
「王政国討伐隊隊長殿、よくいらしてくださいました。歓迎いたします」
ウリューゼアはすぐに紅い国の代表者のように振る舞って、リュウを迎えた。
謁見は滞りなくすみ、二人はウリューゼアの部屋で話を始めた。
「どうしたのよ、こんな時期に、それも出陣直前に正式に王の使者として来るなんて」
ウリューゼアは呆れたように言った。
「さっき話した通りなんだ」