「ソウデショウ?
子供タチ優秀ダシ、私ノ自慢ダワ」
「…」
…どこか優秀なの?…
「ミンナ、元気ダシ」
「全部で何人いるの?」
「29人ヨ」
「29…」
…え? 29人?…
ルーシーがさっき、ざっと数えたところでは28人にしかいなかった。
用意して来た土産品の数は29個だけど、そう言えば1人…1個余計持って行ったっけ。
では、あと1人は?
「28人にしかいないって、どう言う事かしら?」
2人の会話を聞いているスザンヌが不安がる。
「まさかエルファのヤツ、又1人殺してしまったんじゃあ」
ジャックが物騒な事を口走ったけど、有り得ない事もないだろう。
ルーシーが質問する。
「29人だけ?」
「モウ1人イルンダケド…実ハ今、街ノ人形病院ニ入院シテイルノ」
「ケガか何かで?」
「棚ノ上デ、フザケテテ、床ニ落チテ足ヲ折ッチャッタノ」
「まあ」
「ウソばっかり。
そんな話し、聞いていないわ」とマルシア。
「シバラク、帰ッテ来レナイワ」
寂しげな顔をするエルファだけど…
ルーシーは端から信じてはいない。
…エルファ、本当はその子をどうしたのよ?…
この時だ。
…え?…
ルーシーはふと、部屋の奥の方に目をやった。
子供たちが3人、こちらの方を見ているのだ。
しかも、1人が胸の辺りで手を左右に振っている。
まるで、違う違うって意思表示をしているような仕草だ。
更にその子は、(ルーシーから見て)右側の方をチョンチョンと指差した。
まさか!
「ドウシタノ?」
「あ、いや別に!」
大慌てのルーシー。
エルファが奥の方に振り向いた時には、3人は素早く身を隠していた。
エルファが席を外す。
キッチンに行ってクッキーを取りに行って来ると言う。
エルファが部屋を出て行ったのを確認したエルファは、子供が指差した右側の扉に歩み寄った。
人形たち用の浴室のようだ。
子供たちが駆け寄って来た。
「ココに誰かいるの?」
ルーシーの質問に、指差した子はミャーと返事した。
カギ穴から中を覗いてみる。
…イイッ!?…
驚愕するルーシー。
急いでマイク使って、小声で連絡取り始めた。
「お風呂の中に、子供が1人…閉じ込められているわ!」
「何だと!?」