だが仁は時計を見て、冷静に考える。
「まだ、ゲーセン開いて
ないじゃん。」
(俺どうしたんだろ…)
「あっそうだよ!仁!
私、仁につられてつい!」
(俺、昔、どっかで夏奈に会った気が… …)
夏奈はあくびをして、
「ふぅわ〜!そういえば
私、全然寝てなかったんだっけ!」
「そうか。じぁ上にベッドあるから寝てろよ。」
夏奈は不思議そうに、
「上?ここマンションだよ。」
仁はベッドの方向に指を
指して、
「そのハシゴの上にベッドあるから。」
「へぇー」
夏奈は一直線にハシゴの方に向って、のぼり始めた。
「へぇー秘密基地ぽい!」
「まあそこでゲーセン開くまで寝てろよ。」
「うん。分かった。おやすみ。」
(俺、やっぱなんかおかしい…)
「疲れてるんだろ。俺も
寝るか。」
… …
時計を見る。
「午後7時って…
寝すぎた…」
「夏奈起こすか。」
ギイ、ぎし
ハシゴの音で夏奈が起きた。
「まだ、眠いか?」
「うん。もう元気百倍!」
「それはよかった。」
「もう夜の7時なんだけど、どっかいくか?もうこんな時間だと、ゲーセンに
ヤバい奴らいるから。」
夏奈は考える顔をして、
「プルルルルル」
その時、仁の携帯に着信が
掛かってきた。
「橋本か」
携帯を耳に当て、
「なんだ、橋本?」
『ああ、仁か!?
いま俺の彼女とカラオケ
行くんだけど、来るか?』
「ちょっとまってな!」
「夏奈はカラオケいく?」
「えっ!あ、うん。」
「分かった!」
「あっ橋本?こっちは二人でいくから!」
『二人?まさかお前彼女
出来たのか!』
「ちがう。詳しい事は後でな!」
『えっ!ちょっ…』
夏奈は嬉しそうにこっち
見ていた。
「どうしたんだよ。嬉しそうな顔して!?」
「私の事、『夏奈』って
いってくれたから。」
「いや、だってもう家に
泊めてるし、もう他人じゃないからな。」
「そうかぁ!うれしい♪」
「ほら、早く行くぞ!」